悩めるママ
そんな方のお役に立てればとお金について説明する、第3回です。
第1回目「貯金は不安?投資信託って?」と第2回目「子どもの教育費・自分の老後資金について考える」はコチラから↓


- 銀行に預けるのはお金を減らしているのと同じ
- お金は増やすことができる(投資をする)
- 投資信託は初心者におすすめのローリスクローリターンな投資手法
- 投資を始める前に「生活防衛金」を確保しよう
- 投資をする目標期間、目標金額と目標年利(リターン)を決めよう
- 老後資金の準備に必要なお金が銀行預金だと月4万6000円必要なところが、投資をすれば月3万円にまで抑えられる(可能性がある)
では今回は投資信託のメリットと注意点についてご説明します。
とーー
投資信託のメリット
まずは投資信託のメリットを3つご紹介します。
ほったらかしで運用できる!
前回から説明している通り、投資信託はすぐに結果が出るものではありません。数十年後に必要になるお金をいまからコツコツ増やしていこう!というものです。
なので毎月口座の状況を確認するようなことはしません。
銀行口座から毎月5000円や10000円を自動で引き落とす設定にしておけば、ほったらかしで運用してくれるわけです。
自動で引き落とされるので、気づいたらかなりの額貯まっていた!という事態になります。口座にお金があると使ってしまうという人には「自動引き落とし」という仕組みは強制的にお金が確保できるのでオススメできますし、私たちシングルマザー(ひとり親)は忙しいですから、ほったらかしでお金が増える!ということに意味があるのです。
とーー
ドルコスト平均法でリスクを押さえられる
みなさんが投資信託を購入する場合、毎月同じ金額が自動で銀行口座から引き落とされ、自動で投資信託が買い付けられる設定になると思います。
どういうことかというと、例えば毎月5日に10000円が銀行口座から引き落とされ、7日に10000円分の投資信託が自動で買い付けられるということです。これを一般的には「投資信託をつみたてる」と言います。
値段の変化する金融商品(投資信託や株式など)を定期的に一定額をつみたてていく手法をドルコスト平均法といいます。このドルコスト平均法がなかなかの優れものなのです。
はじめに1000円だった株価が下がり、その後500円まで戻った場合を考えましょう(大和証券HPより引用)
このようなイメージです。AさんとBさん2人の人がいたとします。
Aさん
Bさん
AさんとBさん、どちらが多く利益を出すことができると思いますか?
Aさんは1株1000円のときに12万円分購入したので、120株購入できました。12月には1株500円になったので、120株は6万円となりました。6万円の損失です。
Bさんは細かい計算は省略しますが、12万円で271株購入することができました。12月に1株500円になった際には、120株は13万5000円になったのです。1万5000円のプラスですね。
まとまった資金を一度に投資してしまったAさんより、ドルコスト平均法を用いてコツコツ投資したBさんの方が利益を上げることができました。
仮にAさんが1株200円のときに12万円分購入したら600株購入できるので、12月には30万円になることになります。しかし、そのように安いタイミングを見計らうことは初心者には難しいですし、いつも値動きをチェックしなくてはいけなくなります。
ドルコスト平均法はほったらかし運用の強い味方なのです。まとまった資金がなくても、時間をかけてコツコツ投資をしていくことが大切である、ということがおわかりいただけたと思います。
ここから再度肝心なのですが、毎月一定額を買い付けるBさんに注目してください。Bさんは1月は10000円で10株しか購入することができませんでしたが、株価が下がってしまった9月は10000円で50株購入することができています。「株価が下がる=悪いこと」というイメージかと思いますが、むしろ「株価が安い=同じ金額でたくさん買える=買い時である」とも言えます。暴落したタイミングで投資信託を追加購入する人もいます。
AさんよりBさんが利益を上げることができたのは、AさんよりBさんの方が株の保有数が多かったからです。安いタイミングでたくさん買っておくこと、が大切なのです。
とーー
税金がかからない、節税効果を期待できるものもある!
つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)という名前は聞いたことがあるでしょうか?
国が「将来年金制度が崩壊しているかもしれないから、自分で老後の資金は調達してね?税金はお安くするから!」と設けてくれた制度です(個人的な解釈です)。
この二つは税金を考える上で非常に大切なので、投資信託を始める際には必ず検討しましょう。
①つみたてNISA
投資をして得られた利益には20.315%の税金がかかります。10万円の利益が得られたら、2万円税金でとられるということです。第1回で紹介したように投資信託を30年も運用していれば100万円の利益を得ることは夢ではないわけですが、そのうち20万円税金でとられてしまうということです。
とーー
その税金が全くかかりませんよ!!というのがつみたてNISAです。ただいろいろ制約があります。
- 年間の投資の限度額が40万円まで
- 投資可能期間が2018年~2037年
- 投資対象商品が限られる
1つ目の「年間の投資の限度額が40万円まで」。
本来投資信託を購入するにあたり限度額はありません。毎月5000円つみたてている人もいれば、10万円つみたてている人もいるでしょう。
つみたてNISAの場合、それが年間40万円まで。月にすると40万円÷12カ月=3.333…なので月あたり3万3333円までしかつみたてることができないのです。税金がかからないメリットはおわかりいただいたと思うので、できるだけ限度額いっぱいつみたてたいものです…!
2つ目の「投資可能期間が2018年~2037年」。
投資信託はその投資信託がなくならない限りは投資を続けることができます。しかし、2020年5月現在、つみたてNISAは「2037年までしか運用できない」と定められているのです。
今は2020年ですので、残りは17年しかありません。つみたてNISAを始めるのが遅くなれば遅くなるほど、税金を減らすチャンスを逃していることになるのです。
3つ目の「投資対象商品が限られる」。
投資信託は6000種類あるといわれているのですが、すべてをつみたてNISAで購入できるわけではありません。対象商品の詳細はコチラをご覧ください(金融庁のHPにとびます)。
初心者におすすめのつみたてNISAは次回ご紹介します。
②iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は名前の通り年金です。投資信託を運用して、自分の年金にしましょうね!というものです。節税効果が大きいので、ぜひこちらのシュミレーターで計算してみてください。iDeCo加入者診断&節税シュミレーション
ただ、60歳以降にならないと引き下ろすことができません。そのため、本当に余裕資金だと思われるお金を運用に回すことをおすすめします。他にもリスクはありますので、こちらをご確認くださいね(保険相談ナビ「イデコのデメリットは?」)
投資信託の注意点
ポートフォリオを組むのにめちゃめちゃ時間がかかる
投資信託を運用しようと思うと、「ポートフォリオ」というものを組む必要があります。
説明がめちゃめちゃ長くなるのでポートフォリオの組み方はリンクを貼っときますね。(MONEY TIMES「投資信託のポートフォリオの作り方を初心者向けにわかりやすく解説」)
めちゃめちゃ簡単に言うと「どの投資信託にどのくらいの分配で投資しようかな?」ってのを決めることですね。
株式の方がハイリスク・ハイリターン、債券の方がローリスク・ローリターンです。まだまだこれから働き盛りで、ハイリスクでも大丈夫な若者は株式の割合を多くしたり。もう老後間もないのであまりリスクを取りたくないよって方は債券の割合を多くしたり。そこは個人の狙う利率(リターン)によって変わってきます。リターンの考え方はコチラ
狙う利率(リターン)によって、ポートフォリオを一人一人組むわけですが…投資信託って6000種類あるんですね。そこからひとつひとつ選んで決めていくのは本当にめんどくさいです。
そして仮にポートフォリオを組むことができたとしましょう…最初は25%ずつの配分できちんと運用できていたものがだんだんと崩れてくるんです…あるものが40%になり、あるものが10%になり…そのままにしていると最初に定めた利率(リターン)が得られなくなってしまいます…そのため崩れた配分を25%ずつに戻す、という作業が年に1回ほど必要になります(リバランスといいます)。これがまためんどくさいのです…
でも大丈夫!ポートフォリオを自動で組んでくれるものも世の中にはありますので!それは次回ご紹介しますね!
ちなみに…私のポートフォリオ、紹介します。
なんじゃこりゃーーー!!そうなんです。リスクを取っても大丈夫!と思えるならこれでもいいんです。私は日本という国が繁栄していく未来が見えないし、債券はローリスク・ローリターンなので嫌で…全てを先進国株式にしています。
売るタイミングが一番肝心
ドルコスト平均法のときに登場した画像が再度でてきました。Bさんは12万円で271株購入することができて、12月時点では1株500円だったので1万5000円のプラスになったという話でした。
では12月の時点で1株300円だったらどうでしょうか?271株×300円=81300円になります。ドルコスト平均法でこつこつ積み立てたけど、マイナスになってしまうのです。
「買うタイミング」はいつでもいいんです。ほったらかしにして、コツコツつみたてていきましょう。でも「売るタイミング」だけは注意してください。先ほどのBさんのように「売るタイミング」によっては利益が大きく変化してしまいます。
いつまでも安かったらどうするの!?売れないよ!?と思われるかたもいるかもしれません。
こちらはS&P500(日経平均のアメリカ版です)のここ半年の値動きの様子です。コロナの影響で下げている時期がありますが、また上がってきています。アメリカの株価はここ数十年ずっと右肩上がりです。私はS&P500はこれからも上がっていくと思っているので、S&P500に連動した投資信託に投資をしています。下がってもいずれ上がる、と自信を持てるものに投資するといいかもしれませんね。
投資信託の売りのタイミングについて詳しい本はコチラ↓
手数料の高いものはだめ!
投資信託の買い方には2種類あり、銀行窓口で購入する方法と、ネット証券で購入する方法があります。私は断然ネット証券で購入することをおすすめします。
銀行窓口での投資信託の購入には手数料が3%ほどかかることが多いです。(マネー現代「銀行で投信を買うとマジで損するのか聞いたら…」)せっかく年利3%で運用しても、銀行に手数料で全て利益を取られてしまいます。銀行は手数料で稼いでいるのです。
私がSBI証券で購入している投資信託の手数料はおよそ0.09%。銀行と比較すると非常に低いですよね。第1回でご紹介した通り、投資信託を3%で運用するのか5%で運用するのかで最終的な利益に非常に大きな差が生まれます。数%の手数料が命取りなのです。
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こまめに引き出さない、口座はあまり見ない
投資をはじめてすぐは、お金が増えたかな?減ったかな?ととても気になります。
口座の状況をこまめに確認してしまいます。しかし、先にもお話した通り、投資信託において肝心なのは「引き出しのタイミング」。そして引き出しのタイミングはいつきますか?数十年後ですよね。
私が毎月つみたてNISAでつみたてているセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の3月の口座状況をご覧ください。
マイナス7,398円です。コロナウイルスの影響で株価が暴落し始めた影響で大きくマイナスになりました。ちなみにその前の月は10000円ほどプラスだったのです。
このように予想もしない世の中の変化によって投資信託の評価額がマイナスになることはあります。しかし、引き下ろすのは数十年後であること、またドルコスト平均法の章でご説明した通り、安くなっている時はたくさん購入できるチャンスなんです。暴落はむしろバーゲンセールになっているといえます。
だから評価額がマイナスになっていてもがっかりする必要はありません。むしろ喜びましょう。何度も言いますが、肝心なのは「そのお金が必要になるタイミングで評価額がプラス」になっていることです。
一喜一憂してしまうようであれば、口座状況をあまり見ないことをオススメします。
セゾン投信の社長が書いたセゾン投信手前味噌本はコチラ↓
最後に
次回はついに「初心者におすすめの投資信託」をご紹介します。
お待たせしてすみません。みなさんにきちんと説明をしてからオススメするのが筋かなと思いまして…
今回はわかりにくいところも多かったと思いますので、質問お待ちしています。
投資をギャンブルだと思っている日本人は多いです。ただ、今回ご説明したように、投資信託にはお金が増える理論がきちんとあります。ギャンブルのような根拠のない投機とは違います。
すごく抵抗があるのはわかります。銀行預金の方が安全な気がしますよね。ただ、それで本当にいいのかな?と少しでも思ったら、一緒にはじめてみませんか。数百円からできますから。
一人でも投資に興味を持って下さり、その方の一歩踏み出すお手伝いができればうれしい限りです。
本日も読んで頂きありがとうございました。
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